はじめに
今回は以前勉強したショックの分類からピックアップして一緒に勉強していきましょう。以前のショックの種類と原因について勉強していない方はこちらも一緒にどうぞ⇩
循環血液量減少性ショックについて
まずは前回の復習をしましょう。

循環血液量の特徴はこちら
これが特徴になります。では、循環血液量減少性ショックの機序はなんでしたか?
それは「出血」と「火傷や脱水による体液消失」ですよ!これらにより循環血液量が低下することで循環不全が起こります。
では出血の原因は何でしょうか。
主な出血の原因としては、外傷(例:腹腔内出血、骨折、opeによる切り傷)や出産時の異常出血など。脱水に関して言えば、下痢や嘔吐による体液の排出が挙げられます。
ショック指数とは(SI:shock index)
ショックの重症度を測る指標としてショック指数というものがあります。
ショック指数=心拍数÷収縮期血圧
正常値:0.5
軽度:1.0
中等度:1.5
重度:2.0

0.5ずつ増えていくと覚えれば簡単ですね!
割り算なので、答えで0はありえませんから…開始も覚えやすい!
※補足
軽度:1.0でおよそ循環血液量の20%が消失していると考えられます。1.5ではおよそ40%となります。
人間の血液量は体重のおよそ8%(1/13)のため、60㎏の体重の人では約4,6㎏です。20%というとおよそ900mlの消失だと計算できます。
ペットボトル2本分の出血と考えると緊急性が分かりますね。
循環血液量減少性ショックの症状
箇条書きにしました⇩
・頻脈
・脈拍微弱(低血圧)
・頻呼吸
・乏尿・無尿
・冷汗
・皮膚蒼白
などあります。
過程を見ていきましょう。
ここで大切なポイントは「頻呼吸」です。ショックを見分ける重要な指標になります。
他の症状はイメージがわきやすい中、頻呼吸は生理学の知識が深く追及されます。
他のイメージをざっと見ていきましょう。
・頻脈⇨血液減った!早く臓器にとどけ!心臓よ、少ない血液を貯めている暇などない!
・低血圧⇨出血しているから、流れる血が減って血圧は低くなって当然…!!
・乏尿・無尿⇨だから血がないんだって!尿で排出する水分があるなら血管に回せ!
・皮膚蒼白⇨手足「おーい、重要臓器ばかり血液いっててズルいぞ!助けてくれ!」
子どもみたいな解説ですね…ですがイメージは付きやすいと思います。
マナハニーブラ ~神長アイリーンプロデュースのナイトブラ~

では、なぜ頻呼吸は起こるのでしょうか?体内で起こる流れについて、いまいち理解できないという方は基礎知識を付けてからもう一度勉強するのもアリだと思います。戦略的撤退ですね!
…
それでは過程を見てみましょう
血液量の減少(外傷などによる出血)
⇩
酸素供給の不足
⇩
嫌気代謝が亢進
⇩
代謝産物として乳酸ができる
⇩
乳酸は酸性のため、体内が酸性に傾く(代謝性アシドーシス)
⇩
代償的に呼吸数増加(血液の㏗を戻すため)

各臓器「おーい、酸素来ないぞ!」
脳「すいません!今外から持ってこさせます!(血液の中にある酸素では足りない…)」
…頻呼吸!というイメージです。
このような流れになります。嫌気代謝がいまいちわからない方がいるかもしれませんが、ここではそういう物なんだ…くらいの認識でいいと思います。補足として、好気代謝は酸素が多い場合、嫌気代謝は酸素が少ない場合に起こるという知識だけは覚えて帰りましょう。
治療の基本は循環血液量の回復になります。そのため、正しい止血と出血量からみた輸液・輸血を行うことが大切です。
輸液の目安としては、尿量が参考になります。尿量が「1ml/kg/時」になるようにしましょう。輸液過剰も危険になります。
参考程度に、以前記事で成人の排尿について勉強用記事を作成してます。よければ一緒に勉強しましょう⇩
まとめ
今回はショックの中でも最も勉強しておしい循環血液量減少性ショックについて勉強してきました。
以前の記事に貼った表もまだ覚えきれていない方もいると思います。まだ時間はありますので、1つずつ確実に勉強していきましょう。
受験が近づくにつれて、「あれ?これってどのショックの特徴だっけ?」「これで正しいかな?」と不安になります。そうなることを未然に防げるのも今の時期だけです。どうしても知識の定着には時間が必要になります。
当然ですが、勉強時間を増やしたところで数か月前の時間は戻ってきません。焦らない対策も国試には大切な対策です。
いまのうちに学友と話し合い、国試のスケジュールを作ってみてはいかがでしょうか。
スケジュールについて0から考えたくない!という方は以前に記事を書いていますので、参考程度にどうぞ⇩
血液に関連して、1から勉強したい人はこちら⇩
以上!
