この記事を読むメリット
・母乳栄養について学習できる
・ビタミン欠乏症について復習できる
・新生児メレナについて学習できる
母乳栄養で不足【105回午後25問】
母乳栄養で不足しやすいのはどれか
1.ビタミンA
2.ビタミンB
3.ビタミンC
4.ビタミンE
5.ビタミンK
正解は5のビタミンKです。この記事では、母乳栄養と新生児メレナについて勉強していきましょう。
母乳の栄養・成分とは
初めに、母乳(乳汁)の移行について勉強したい方はこちら⇩
乳汁のところを読んでください。その後、初乳と成乳の違いについて学習したい方はこちら⇩
それでは、本題に移ります。
これから説明する母乳とは、成乳のことを指します。
母乳の成分とは以下のものが含まれています⇩
・三大栄養素(脂質・タンパク質・糖質)
・1000種以上のタンパク質
・200種以上の糖質
・酵素(複数)
・ビタミン
・電解質
復習になりますが、母乳には電解質やビタミンが多く含まれています。これらの多くは器官形成の補助に使用されています。
ですが、国試過去問では「どのビタミンが不足しやすいのか」が問われています。実はこの問題、二つの視点から回答ができるサービス問題になっていることに気が付きましたか?
・母乳の栄養や成分を覚えている
・出産後新生児に行う医療や援助がわかっている(後に解説するK2シロップ)
上記したまとめでは「ビタミン」としか書かれていないので、どれが不足しているかわかりませんよね?
前提としてビタミンごとに欠乏症をしっかりと理解できていますか?もし不安だという方はこちらも一緒に見てください!⇩
実は、母乳には不足しているビタミンがあります。
それはビタミンKとビタミンDです。特に新生児で重要視されるのがビタミンKとなるので、こちらに焦点を当てていきます。ビタミンD欠乏症が気になる方は上の青文字より飛んでください。
ビタミンKは何のために必要なのか…次の新生児メレナで詳しく解説していきます。
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新生児メレナとは
「新生児メレナ」と聞いたことはありますか?
別名:真性メレナ、新生児出血症
この症状には
・黒色の便が出る(タール便)
・血液がみじった便が出る(血便)
・茶色~黒色の吐血がある
といったものがあります。これらに共通することは、血液に関連しているということです。

仮性メレナというものもあります。
これは、「新生児が出血しているのではなく、産道を通るときに血を飲んでしまい、その後生まれてから吐き出す」
なので、仮という字が使われているですね。
新生児の出血ではなく、母の出血なので「仮」とつきます!
実は、血液の凝固作用にはビタミンKが必須です。
新勢メレナを筆頭に、新生児の出血を止めるにはビタミンKが必ず使います。
「母乳にはビタミンKが少ない=出血したら危険」
ここで登場するのが、K2シロップです。
K2シロップとは、その名の通り「ビタミンKを含んだシロップ」です。これを決まった回数、日にちで飲むことで、新生児メレナや出血時のリスクを減らすことができます。
K2シロップを飲む回数などはこちら⇩
・計3回接種する
・一回目は出生時(1日目)
・二回目は産院退院時(1週間目)
・三回目は一か月健診(一ヶ月目)

覚え方はとっても簡単!
三回単位を変えた1のつく日です。
1日、1週間、1か月‼
まとめ
・母乳にはビタミンKとDが不足している
⇩
・ビタミンKは血液凝固作用に必須=出血時のリスク高い
⇩
・3回のK2シロップでリスクを下げる
⇩
母乳で不足しやすいビタミンにより起こるマイナスの生理反応を無事に回避、すくすくと成長
今回の問題は、幅広い知識のうちどれか一つでもあれば解ける形をとっていました。国試では、このような「一部の知識から正答を予測する」問題も多くなると思います。柔軟な発想はすぐに身につくものではありません。
ただ作業のように国試を解くのではなく、柔軟な発想の成長につなげてみませんか?

勉強=暗記、数多く解く
がすべてではありません。効率よくするには、一見遠回りのように見える行動も実は近道になることもあります。
焦らず、考えながら勉強方法を身につけましょう。
以上!
