この記事はこちらの続きとなります⇩まだ読んでいない方はこちらも一緒に読んでみませんか?
それでは見ていきましょう。
看護師1年目で辞めるデメリットとは
前回挙げた記事にも書いてあるように、モノの見方によってはメリット・デメリットとなることは多くあります。今回は看護師として働くこと自体を辞める、辞めないについてそれぞれのデメリットを挙げていきます。
デメリット
看護師を辞めない場合
・経験年数がないため、就職先の選択肢が狭まる
・すべての募集条件を満たしているわけではない
・逆に即戦力として扱われてしまうこともある
・第二新卒には偏見がある
看護師を辞める場合
・医療業界の就職活動しか知らない
・看護師資格は一生ものだが、実際に使えるかは別
・周囲の反応は冷たい
1つずつ解説していきます。
看護師1年目で辞めるデメリット①経験年数
・経験年数がないため、就職先の選択肢が狭まる
転職、転棟、休職…そんな考えが浮かんだ時に真っ先に邪魔となるのは経験年数ではありませんか?
「看護師1年目で辞める=数か月の病棟勤務の経験年数しかない=どこにいっても使い物にならない」
こう考えるのは当然だと思います。早く辞めるとメリットがある一方で、その先にどう行動するかによってはデメリットになりえます。

病棟を変更するだけならそこまでデメリットとはなりえません。
注意すべきところは「基本的な看護技術」と「教育体制」です。
入って数か月、自立したことは何ですか?
・清拭
・退院処理、入院処理
・バイタルサイン(血圧や体温測定など)
・点滴準備
・採血
このあたりでしょうか?
このようなどこの病棟でも使えるケアは「基本的な看護技術」に当たります。
泌尿器から循環器に移ったとして、採決方法は変わりますか?
循環器から呼吸器に変わったとして、清拭の手順が変わりますか?
答えは「NO」完全に一致とは言いませんが、ほとんど一緒でしょう。変わるとすれば、疾患の勉強をする過程で気づけるレベルです。
もちろん、病院ごとに使用する物品が違う、その病棟では独自のルールがあるなどあれば別ですが、基本的な看護技術は身についたといえるでしょう。
・数か月、何も身につかなかった
・誰でもできることしかできない
これは普通です。後から出てきますが、教育体制によってはどれだけ猛勉強したところで「1年目ではできない手技」だ存在します。そんなもの、個人の力ではどうしようもありません。
なので、基本的な看護技術が身についていることはデメリットどころか即戦力として使えるので、デメリットからは除外します。
問題は「教育体制」です。
転棟なら、関係ありません。次の目次に進んでください。
転職なら大いに関係あります。ぜひ読んでいってください。
「転職する=病院ごとのルールがあるため、教育方法、体制、状況などが変化する」
つまり…
病院が変わると、一年目でできるようにならなければいけない事が変化します。これがデメリットとなります。
例えば、1年ちょうどで退職したとして、以前いた病院では血ガスは2年目からでした。そして、次に就職した病院では1年目に研修、実施がありました。
では、いつ血ガスを勉強し、実施できるようになりますか?
これは各病院ごとに差があるので一概に言えませんが、研修を受けたり、先輩看護師に教わって実施します。
先輩看護師からは「1年間経験を積んできた人が入ってくる」と思っているので、「血ガスができない人」=1年目の新人と変わらないという評価がついてしまうかもしれません。
話は少しずれますが、とても重要なことを言います。
それは
「1年未満で退職した人」は再就職でも困る可能性が出てくるということです。詳しくは次の章で解説します。


看護師1年目で辞めるデメリット②再就職先
・すべての募集条件を満たしているわけではない
退職=転職先を探す
といっても過言ではありません。看護師の就職は、ほかの業界と異なり、数件の就職活動で十分に内定をもらえます。
実はそれ、特殊です。
一般会社へ就職する人は、10~100社、中にはそれ以上の不採用通知を突き付けられることもあるそうです。そう考えると、数件の就職希望先で決まる看護は恵まれています。(単に人手不足ということは否めません)
そんなパパっと就職できてしまった新人看護師は、きっとこう考えるでしょう。
「次の就職先も、どうせ数件で決まる」と。
大間違いです。
就職活動の際、あなたはどれほどの応募条件を見ましたか?
きっと目に映っていたのは
・新卒であるもの(20××年度卒業見込みの学生)
この一文だけで大丈夫でした。ですが、今退職した場合は
・〇〇大学・専門を卒業
⇩
・〇〇病院を中途退職 ×月
と履歴書に書き込むようになります。そして僕が一番驚いたことを言います。数か月前、再就職先を病院にしようか迷っていた際、見つけてしまった衝撃の一文がこちら⇩
応募条件
・新卒であること⇦満たしていない
・中途採用枠、年齢、経験年数問わず(原則、経験年数が1年以上であること)
そうです、応募条件を満たしてすらいませんでした。

この病院の待遇いいらしいぞ。
口コミや、そこに就職した子も言ってる。
ここに就職したいな~…あれ?僕、応募条件満たしていない?
他の病院を一から探すの!?
実家から近い病院の数なんてそんなにないよ…どうしよう
病院は都会に行かなければそこまで多くありません。しかも、厚生連や、〇〇会といった大きな病院機構はほとんど応募条件や待遇は一緒です。
市民病院?民間病院?そこまで数がありますか?
1年間経った後に、辞めてさえいれば…そんな後悔をしても後の祭りです。
もちろん、電話して聞いてみると「全然大丈夫ですよ、履歴書を〇日までに送ってください」と快く引き受けてくださる病院もありますが、辞める前は必ず「下調べ」という情報合戦が行う必要があることを忘れないようにしましょう。

あまり大きな声では言えませんが…
休職中は「経験年数に含まれやすい」です。履歴書では、「就職した日付」「退職した日付」を記入するので、嘘はついていません。
ですが、聞かれたら必ず真実を述べましょう。嘘を通しても、いつかばれますし、単純に違法行為です。
どうしてもツライ、という方はまず休職→休職期間中に再就職先を探す→再就職日の前日に退職が理想です。

看護師1年目で辞めるデメリット③即戦力?
・逆に即戦力として扱われてしまうこともある
無事再就職先をつかみ取れても、次の課題は「自分の戦力」です。1年目の新人は「できなくて当たり前」ですが、中途採用、ないし2年目の自分はどう受け取られるでしょうか?
SOAPはかけて当たり前、基本的な看護技術もできる人。採血や簡単なキットの扱いなら大丈夫でしょう?
これは当然の期待であり、即戦力と勘違いされやすいらしいです。
相手からの期待を背負っている状況、これって今の環境と何か変化がありますか?
人間関係なんて人事課や総務課は知りませんし、病棟に入ってすぐに転棟したいです!なんて言えますか?
正直就職していい職場に巡り合えるかは「運」です。
運要素満載で就活し、再就職し…人間関係なんて一年後の移動でどう変化するかわかりません。ただ、漠然と今ある不安、恐怖から逃げたいから転職するという甘い考えは捨てましょう。そんな宙ぶらりんな時期を過ごすのは筆者だけで充分です(笑)
最初の自己紹介で、しっかりと自分のできること、できない事、できるけど苦手なことをパパっと説明しておきましょう。それだけで当たりの職場なら100倍過ごしやすくなることでしょう!
看護師1年目で辞めるデメリット④第二新卒
・第二新卒には偏見がある
マイナビ曰く、「第二新卒とは学校を卒業後1~3年で、転職または就職を志す若年の方々(25歳前後)」と定義しています。
可能性がある若い世代ですね。当然、1年目で退職した場合は第二新卒となります。(休職をうまく使いましょう)
では、世間が第二新卒にどのようなイメージを持つと思いますか?
・根性が足りない
・就職してもまたすぐに辞めるのでは?
・若い
・うまく育てたら無限の可能性がある
・退職理由によってはマイナスしかない
このようなイメージを持たれることが多いです。
若い、可能性があるというのは正直新卒と同じなので、プラスとなりえないです。むしろ、企業側は「なぜ退職したのか?」という理由が聞きたいはずです。
・本当にハラスメントだったのか
・今の精神状態は安定しているのか
・うちの会社に不都合はないか
などなど。
前回の就職活動よりは確実に難易度は上がるでしょう。さらに、新卒よりも自分のほうが役に立つよというアピールをしないといけません。
例えば…ラダー制度では、いまだに1のままなので、新卒と同じ給料ですが、経験値がある分早く戦力として役立てると思います!など。
自分の強みをアピールできるように、切り返しをうまくできるように事前準備がかなり勝敗を分けます。
大学や専門時代の教員を頼るなど、ネットのみの情報を鵜呑みにしないように気をつけましょう。世の中情報がすべてですよ!
看護師を辞めるデメリット1⃣看護の道
・医療業界の就職活動しか知らない
上でも少し説明しましたが、看護の就職は他の業界とはかなり違っています。
看護の場合
・1~4件以内でほぼ内定をもらえる
・4月ごろから就職活動を開始しても、1~2か月程度で終われる
・そもそも病院数が企業数より少ないため、選択肢がわかりやすい
・大学や専門に入った時点で、ほとんどの人が病棟看護師の就職を視野に入れ、事実その通りになりやすい(理想とのギャップが少ない)
他企業の場合
・平均25社程度受け、内定は10社に1社程度(マイナビより抜粋)
・内定が出ても、就職活動を続行する人が多い(企業数が多く、少しでもいい環境を見つけるため)
・1年以上前から下調べやインターンなどで顔見せすることもある(就職活動時期が長い)
・不採用通知の数も必然的に多くなるため、精神疲労が高くなりやすい
・大学入学時の思い描く理想の未来とは遠くなりやすい
人生で就職活動というのはそう何度もするものではありません。試験と同じで、避けられるなら避けたいものですし、楽に決まるならそれに越したことはありませんよね。
双方にメリット・デメリットはありますが、看護をはじめとした医療業界の就職活動に割く時間は少ないといえるでしょう。
ツライ思い→楽な思い、なら嬉しいですが
楽な思い→ツライ思い、なら極力避けたいものになって当然です。また、企業と単に行っても、自分の入りたい業界(金融、IT、アパレル、役所)のリサーチも大変な数になり、志望動機を一つずつ覚えるのもかなり苦労したと聞いています。
今の病院を辞めて他の病院に移るのか、医療業界から離れて再就職を図るのか…どちらにしろ初回の就職活動よりは多難を極めるといって過言ではないでしょう。

看護師を辞めるデメリット2⃣資格の利用
・看護師資格は一生ものだが、実際に使えるかは別
大学選びや将来をぼんやりと悩んでいるときにこんな言葉をかけられた、思ったことはありませんか?

看護師は国家資格。一度とれば一生使えるものだから就職に困らない。いつでも復帰できるよ。
ダウト。
確かに国家資格をはく奪されることは滅多にありません。問題はそのあとの文章です。
「一生使える」=「看護師の資格」
ではありません。
「一生使える」=「看護師として働いた知識・経験・履歴」
と言い換えれます。
つまり、一年目で辞めた人は、
・経歴に一生消えない傷がつく
・基礎看護技術レベルしかできない
・経験年数もなく、不利
・看護師資格を取得してから年月が経てば経つほど不利
この事実を見ましょう。半年しか働いていない人が結婚、産休と入り、その後復帰?
復帰ではなく、新卒と同程度のこともできない人かつ年齢だけ高い人
どこの病院が雇ってくれますか?
看護師は女社会が根強いです。大半の方が20~30代に結婚、出産を経験することでブランクが生まれることがありますが、それも過去にしっかりとした年数働いていた人が「取り戻す」のであって、経験が少ない人は「1から身に着ける」ものです。
簡単に言えば、一度暗記した英単語を思い出す人と、今から勉強して英単語を暗記し始める人の違いです。
どちらが就職に有利なのかは明白ですね。一度できたことはまたできるようになりやすいですが、今から身に着ける人は「本当に身につくのか」という不安要素があります。
「とりあえず3年働く」と周りから言われるのはこのような理由からが多いです。人によっては5年で一人前、という人もいるくらいです。
看護師資格を持っているが、半年も働いていない。救命措置もしたことがない。そして一般企業に繻子よくするとき、資格欄に「看護師」の文字が入る。
「この子は何で看護業界からこちらの業界に来たのだろう?」と疑問に思われるので、大義名分を作る必要があり、大変です。
ここまで脅すようなデメリットばかりですが、メリットもしっかりとあります。この記事は気持ちの整理に役立ててください。メリット・デメリット以前に精神が疲弊してしまっている方は休職という手もあるので、急な思い付きで退職することだけはしないようにしましょう。
看護師を辞めるデメリット3⃣周囲の環境
・周囲の反応は冷たい
最後のデメリットは、周囲からの発言を気にしてしまうことです。
看護師資格をもっていて、病院に就職したのに辞めた人。単純に「なぜ?」と気になる人が多いはず。
事あるごとに友人知人に説明したり、「もったいない!」と体験したこともない人から言われることもしばしば。
辞めるのにも覚悟が必要で、辞めた後の対応も覚悟が必要です。そのためにも、再就職先を見つけるまで我慢or休職が一番おすすめします。


まとめ
この記事では「デメリットのみ」を紹介してきました。
これだけ読むと
・私辞めないほうがいいのかな?
・我慢しないといけないのかな?
・どうやって生きていこう?
という思考に陥りやすいです。そんな時は、メリットについてまとめた記事を読み返したり、紙に考えを書き出してみたりすることで気持ちの整理ができます。
看護は特殊な環境です。一般企業の友人に相談しても、期待した返答は返ってこないかもしれません。
僕のTwitterはこちら⇩
@ryo_lifefree常にDMを開放しているので、相談したいことなどあればいつでも連絡ください。もしかしたら力になれたり、解決の方向性だけでも見えるかもしれません。
TwitterやYouTubeの登録お願いします!( ´∀` )