メタボリックシンドロームってなに?
今回は肥満の象徴でもあるメタボリックシンドローム、通称「メタボ」について勉強していきましょう!

メタボといえば…太っている人!というイメージしかないな
こんなイメージだけの人も結構多いのではないでしょうか。テレビなどで太っている人を見ては「メタボっぽい」という認識はするけれど、本当に太っている人=メタボなのかと聞かれると断言はできない…
そんな知識量の方必見です!
メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪の蓄積を主として、脂質代謝異常、高血圧などの動脈硬化の危険因子を複数所有している状態のことを指します。
後から詳しく解説しますが、メタボは治る疾患です。適切な対応を取ることで十分に診断がとりのぞかれるため、診断基準を意識しがちですが、本質は患者の健康管理の維持になるため
「メタボの診断基準に引っかかってないからセーフ」
という認識は無くしましょう!
肥満の分類について
それでは早速メタボの基準を…といいたいところですが、肥満者の分類はなにもメタボだけではありません。
肥満は肥満でも、どこに脂肪がついているのかによって分類がされたり、原因によって分類されたりします。軽く触れていきましょう!
原発性肥満:食べ過ぎ・遺伝・運動不足・摂食異常など
ほとんどの人が原発性肥満に当てはまります!
二次性肥満: 疾患や、薬物の副作用により肥満となった場合のみ
二次性肥満の場合は、肥満に対してアプローチするのではなく、原因疾患や薬の変更などで解決する方法が大切です。
これらの分類のほかの肥満の分類も見ていきましょう。
死亡の蓄積部位により①上半身肥満(腹部型肥満・リンゴ型肥満)、②下半身肥満(臀部型肥満・洋梨型肥満)に分類されます。特徴を見ていきましょう⇩
①上半身肥満
・内臓脂肪型肥満で、内臓脂肪面積≧100㎠
・腹腔全体に脂肪が蓄積
・皮下脂肪は薄い
②下半身肥満
・皮下脂肪型肥満で、内臓脂肪面積<100㎠
・腹壁の皮下に厚い脂肪層あり
・腸周囲には内臓脂肪が少ない
このような分類ができます。これを知っていれば、肥満=メタボという安直な診断にならないこと間違いなしですね!!
メタボの診断基準をみてみよう
メタボと診断されるには、2つの条件に当てはまっていることが前提となります。
1つ目の条件はこちら⇩
内臓脂肪蓄積(ウエストの周囲長:へその高さの腹囲のこと)
男性≧85㎝ 女性≧90㎝
2つ目の条件はこちら⇩
以下の3つのうち2つ以上に当てはまること
①血清脂質異常
トリグリセリド値≧150㎎/㎗
HDLコレステロール値<40㎎/㎗
(①については、いずれか1つを満たしていれば条件として数えられる)
②血圧高値
収縮期血圧≧130㎜Hg
拡張期血圧85㎜Hg
(②についても、いずれか一つを満たしていれば条件として数えられる)
③高血糖
空腹時血糖≧110㎎/㎗
国試で役立つポイント
まとめて書きます!

・条件③の血糖値は糖尿病と判断される126㎎/㎗と間違えやすい!
・特定診断=メタボ診断です!(40~74歳対象)
・診断基準の数値は確実に覚える!
・2つめの条件のうち1つ当てはまれば予備軍
・男性の肥満率は約30%・女性は約20%
・BMI≧25で肥満
・肥満の逆の低栄養は高齢者に多い
・ここ10年ほどは女性のみ肥満率増加傾向あり
ざっとまとめました!国試で肥満問題が出てきたら注意すべき項目をリスト化したつもりです。
最低限これだけは覚えておけ!という内容になるので、読み流すことがないようにお願いします!
まとめ
上の要点一覧を最低限覚えた後に、診断の基準値を覚えていきましょう。状況設定問題では、1問目どの肥満に分類されるか、2問目に詳しい疾患について、3問目に肥満患者への声かけ、といったように問題が作りやすいです。
流れが特にないため、点での知識になりがちです。肥満勉強量自体は大したことがありません。点で覚えてはすぐに忘れてしまうので、HDL・LDLの基準値を見ておこう、糖尿病の空腹時血糖についても見ておこう…と知識を横に伸ばしていく勉強法をおススメします!