小児国試対策の計算式まとめ
子どもの成長ってとても早いですよね。一年前まではあんなに小さかった子がもうこんなに大きくなっている…なんてことはよくあることです。
ですが、幼稚園や保育園に通っている我が子を見てみると
「あれ?周りの子よりも小さい?」
ということがあるかもしれません。実習先では
「同じ年齢の子なのに体格が違う…同じ看護でいいのかな?」
なんて事態もあり得ます。そこで、今回は成長の基準となるいろいろな評価の方法を一緒に勉強していきましょう!
今回は
・パーセンタイル値
・ローレル指数
・カウプ指数
の3つを一緒に勉強していきましょう!
この記事と一緒に、新生児特有の評価である生理的体重減少についてまだ勉強していない方はこちらもどうぞ!
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パーセンタイル値(百分位数)とは
一つ目の評価方法は「パーセンタイル値(百分位数)」です。
「そもそもパーセンタイル値って何?」という方へ向けて説明していきます。まずは下の図を見てください。

人間は身長順に並べてみると、みんな背の高さは違いますよね。このように並べた人が100人いたとします。
一番小さい子はパーセンタイル値でいうと1、一番大きい子は100となります。
つまり、「成長の判断材料(身長や体重)」を小さい順に並べて、前から何番目なのか?ということだけなんです。
例題を解いてみましょう⇩
Q.小学一年生の子100人が身長順に並びました。A君は前から20番目、後ろから80番目です。
この時のA君の身長におけるパーセンタイル値はいくつでしょう?
簡単ですね。
正解は20となります。
この出題の解き方を覚えていれば、国試では対応できますよ。国試を見てみましょう。

【第100回看護師国家試験】
Q.6歳の女児。身長108cm、体重20kg。就学時健康診断で身長が10パーセンタイル値と評価された。正しいのはどれか。
1…同年齢女児の10%相当数がこの女児と同じ身長である。
2…同年齢女児の100人中10番目に低い身長である。
3…女児の身長は体重相当の身長より10%低い。
4…同年齢女児の平均身長より10%低い。
これを解いてみてください。
解答は一番最後に乗せておきます。
カウプ指数の計算式とは
次は「カウプ指数」といって、体型や栄養状態を評価するためによく使われる式を勉強していきましょう。上で勉強したパーセンタイル値で体重が平均的でも、身長が低ければ肥満になりますよね。一つの数字だけで評価しないようにしていきましょう!
カウプ指数の公式は以下の通りです。
カウプ指数=体重(g)÷身長(㎝)2乗×10
標準値…15~19
使用可能期間…生後3か月~約5歳
この式で大切なのは、体重と身長の単位です。グラムとセンチメートルなので、注意してください。
19以上を肥満、15以下をやせと評価していきます。
判定基準に男女差はありません!ただし、年齢により多少基準値に差はありますので、必ず20だと肥満だ!というわけではありません。
また、次に出てくるローレル指数とは適応する年齢が異なりますので、注意しましょう。国試は計算問題が出題されることもあるので、カウプ指数やローレル指数は覚えておくと得点につながりやすいと思いますよ!
ローレル指数の計算式とは
次は「ローレル指数」です。カウプ指数が使えないような年齢全般に対して使うことが多いですが、式がややこしいので、何乗なのか、しっかりと暗記しましょう!
下の式を見てください。
ローレル指数=体重(g)÷身長(㎝)3乗×10の4乗
標準値…115~145
使用可能期間…学童期以降の小児
はい、何乗というのがややこしいですよね。そして、カウプ指数ではそこまで計算は難しくなかったかもしれませんが、ローレル指数では計算が大きくなりやすいので、間違えて計算しないようにしましょう。

国試では、計算問題は二回計算することをおススメしますよ!
ちなみに、成人ではBMIを使いますよね。BMIの計算は過去に問われているので、しっかりとできるようにしておきましょう。
下に式を載せておきます。
BMI=体重(kg)÷身長(m)の2乗
身長・体重ときたら…
さて、身長や体重でおおよその成長を判断することはできました。
残るは体内の発達が正常かどうか。前回記事で書いた原始反射は、神経発達の基準になるので良ければ一緒に勉強してみましょう。
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これで小児の身長・体重・神経発達までまとめて勉強することができました。
小児は成人と違い、特有の疾患が多いため、個別に解説できたらと考えています。
まとめ
今回は数式の暗記がメインとなる勉強でした。計算が苦手という方は、過去問や予想問題集などで計算の練習をしてみるのがいいでしょう。
国試では計算だけ見ても、酸素ボンベの残量、BMI 、薬液の濃度など計算はたくさんあります。しかし、国試はマーク式ですので桁数が全然違う!というときは流石に分かります。
おちついて、計算することを心がけていきましょう。
解答
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