はじめに
世界中で大混乱を招いているコロナウイルス。スペイン風邪やコロナウイルスのような爆発的な感染拡大をするのはなぜなのか?
原因は様々ですが、「感染対策」と「抗体」が主なのではと考えられます。
この記事では感染に焦点をあてて、感染しない・感染させないためにはなにをすればいいのかを一緒に勉強していきましょう!
標準予防策(スタンダードプリコーション)とは
飛沫・接触・空気感染を学ぶ前に、感染を勉強するにあたり基礎中の基礎ともいえる標準予防策から勉強していきましょう。
標準予防策(スタンダードプリコーション)とは、
「すべての患者に適用される基本的な感染対策のこと」です。
コロナウイルスのような誰がウイルスを保持しているかわからない状況では、自分が感染させる側になりえます。感染しないために…という認識よりも感染させないためにどんな行動が必要なのか考えることをおススメします。
標準予防策では「患者」と書きましたが、現在の日本では全人類を対象にした感染対策が求められています。悲しいことに、自分一人だけで感染を防ぐことはできないので、協力して感染対策を進めていきましょう。
話を戻します。
標準予防策には、体の一部を他人が何らかの形で取り込むことで感染する可能性があるものをまとめています。それがこちら⇩
・血液
・汗を除く体液、分泌物、排泄物
・粘膜
・損傷した皮膚
これらが感染源となりうるので、注意するものになります。
標準予防策は1966年にCDC(アメリカ防疫センター)が公表したガイドラインに基づいています。そのガイドラインをもとに日本でも感染対策を取り組んでいます。
それでは、標準予防策を学んだところで、次は3つの感染経路と対策について勉強してきましょう。

接触感染とは・代表疾患とは
1つめの感染経路は「接触感染」です。
接触感染とは、字のごとく「接触した部分」から病原体を体内へ取り込み感染することを指します。
例
・ドアノブ
・携帯電話
・机
・吐しゃ物
・便
などです。普段触るものから触らないものまであります。携帯は友達同士の貸し借りでちょっと触っている…なんてことはよくあると思います。公共のトイレなども感染源ですね。
接触感染対策は、不用意に人が触れたものを触れないこと。もし触れた場合は手指衛生をはじめとした病原体による対策を行うこと。粘膜(目や鼻、口)は特に癖で触ってしまう方が多いので、気を付けましょう。
では、接触感染により感染する疾患の代表とは何でしょうか?
それはこちら⇩
・梅毒
・破傷風
・とびひ(伝染性膿痂疹)
疾患によっては標準予防策でもあげていた感染の可能性がある部位を直接触って感染することもありますので、十分に注意しましょう。
飛沫感染とは・代表疾患とは
2つ目は「飛沫感染」です。
くしゃみや咳などをすると飛沫がでます。飛沫とはしぶきのことです。
飛沫の定義は直径が5㎛より大きいことです。落下速度はおよそ50㎛/秒程度と言われています。
マスクで防いでいるのは主に飛沫感染になります。自分が病原体を持っているかもしれないと考えると、なるべく周囲に拡散しないためにマスクで飛沫をカットして減らしています。

くしゃみや咳をする際にマスクをおろす人を見たことがあります。このような人はマスクは他人への感染を防ぐものという認識が薄く、他人から感染しないようにマスクを着けているという認識が濃いのでしょう。ぜひやめていただきたいものです。
マスクのつけ方(裏表)についてはこちらの記事をご覧ください⇩
注意点として、くしゃみ、咳による飛沫を拡散しないためにマスクを使うこと。飛沫は重いので空気中に浮遊する時間を減らせばリスクを少しだけ抑えることができます。
マスクを持っていない方は
・下を向いてくしゃみや咳をする
・くしゃみや咳を手で受け止めた後に手洗いを行う
といった配慮をしましょう。
飛沫感染による代表的な疾患はこちら⇩
・インフルエンザ
・百日咳
・かぜ
・RSウイルス
・おたふくかぜ
飛沫は風の強さにもよりますが2m以上他人との距離をあけることが大切です。小さな配慮で拡散することを防ぎましょう。
空気感染とは・代表疾患とは
最後は「空気感染」です。
飛沫感染と空気感染は同じものだと間違えている方もいるので、定義を覚えておきましょう。
空気感染の定義は飛沫核という小粒子の直径が5㎛以下です。落下速度は0.06~1.5㎝/秒と言われています。ちょっとした風により舞い上がるものなので、実質空気中にただようものにより感染するという認識で大丈夫です。
人が行き来する中で無風状態はありえませんよね…病院ではN95マスクなどで対策しています。
空気感染による代表的な疾患はこちら⇩
・結核
・水ぼうそう
・麻疹(はしか)
コロナウイルスとは○○感染
ここまで勉強してきて、「結局コロナウイルスって何感染なの?それがわからないと対策できない!」と思われるでしょう。
厚労省のホームページでは、現在コロナウイルスは「飛沫感染と接触感染の二つが考えらえる」と書かれています。これは空気感染を否定するものではないことに注意してください。厚労省は同時に「閉鎖空間など一定の環境下であればくしゃみや咳がなくても感染拡大するリスクがある」と答えています。
不確かな情報に惑わされないようにしましょう。
結論は「飛沫・空気・接触」すべてに対して対策を取っておく。用心するに越したことはないということです。
コロナウイルスはアルコール消毒(70%)で感染力を失うと厚労省は発表しています。アルコールの濃度は100%であればあるほど効果があるわけではありませんので、「70%では不安だ!98%の酒で!」など安直な方法はとらないようにしましょう。
ちなみに…

滅菌➡殺菌➡消毒➡除菌➡抗菌の順番で強いですよ。
滅菌:完全に消滅する
殺菌:菌を激減させる
消毒:ある程度消滅する(人間に害がない程度)
除菌:増殖する菌を減少させる(菌を完全に殺せない)
抗菌:菌の増殖を抑制する
薬事法により、滅菌・消毒という言葉をつかえるのは「医薬品と医薬部外品のみ」です。どれだけ殺菌能力が高い洗剤だとしても、除菌と書かれますよ。

まとめ
SNSが情報源である場合、どうしても情報の真偽を見抜く力は不足してしまいます。どうしたら流されないのか…正確な情報を取捨選択できる力を身に着けることが大切です。
迷ったら政府が発表しているものを読みましょう。政府がすべて正しいとは言いませんが、最低限根拠に基づいて動いていると思います。
ニュースを鵜呑みにしないこと、商法に騙されないこと、感染について予防できることはする。そして…不要不急の外出は控える。
早くコロナウイルスが収束してほしいものです。
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以上!