ホルモンの覚え方を見直そう
突然ですが見ている皆さんに問題を出します。
「国試の範囲を下の表の内分泌のみとします。国試は10分後に始まります。必ず受かってください。合格ラインは65点です。」
各自で10分間計測してください。
それでは始め‼‼
視床下部からでる内分泌
・成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)
→GH分泌促進
・ソマトスタチン(SRIH)
→GH・TSH分泌抑制
・甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)
→TSH分泌促進
・副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)
→ACTH分泌促進
・ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)
→LH・FSH分泌促進
下垂体前葉からでる内分泌
・成長ホルモン(GH)
→成長促進・血糖値の上昇
・プロラクチン(PRL)
→乳汁産生促進・LH・FSH分泌抑制
・甲状腺刺激ホルモン(TSH)
→T₃・T₄分泌促進
・副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
→副腎皮質ホルモン分泌促進
黄体形成ホルモン(LH)・卵胞刺激ホルモン(FSH)
→性腺ホルモン分泌促進
下垂体後葉からでる内分泌
・バソプレシン(AVP)
→抗利尿作用
・オキシトシン
→乳汁射出作用、子宮収縮促進
甲状腺からでる内分泌
・甲状腺ホルモン(T₃・T₄)
→代謝行進
カルシトニン
→血中Ca値の低下
副甲状腺からでる内分泌
・副甲状腺ホルモン(PTH)
→血中Ca値の低下
すい臓からでる内分泌
・インスリン
→血糖値の低下
・グルカゴン
→血糖値の上昇
・ソマトスタチン
→インスリン・グルカゴンの産生・分泌の抑制
腎臓からでる内分泌
・レニン
→血圧の上昇
・活性型ビタミンⅮ₃
→血中Ca値の上昇
・エリスロポエチン
→赤血球の成熟
副腎皮質からでる内分泌
・コルチゾール(糖質コルチコイド)
→糖新生促進・免疫抑制・水、電解質、血圧調整
・アルドステロン
→血圧上昇・K排泄促進・Na再吸収促進
・アンドロゲン
→男性化
副腎髄質からでる内分泌
・カテコールアミン
→交感神経刺激
精巣からでる内分泌
・アンドロゲン(主にテストステロン)
→第二次性徴の発達(男性)
卵巣からでる内分泌
・エストロゲン(卵胞ホルモン)・プロゲステロン(黄体ホルモン)
→卵胞発育・排卵・第二次性徴の発達(女性)
ここまでとなります。内分泌は多いですが、あきらめないで10分間頑張りましょう。
少し説明を挟んだ後に問題と、その後の勉強法について解説していきます。
それでは、最後の1秒まで頑張ってください。
ホルモンの暗記法には勉強スタイルの見直しが必要
ぱっとみただだけで気が滅入るような内分泌ですが、皆さんはどのように勉強しましたか?
写真のように覚える、とにかく暗記しまくる、歌にのせて覚える、自分の聞いたことがある、勉強したことがある内分泌から勉強する。いろいろな手段を取ってきたと思います。
ここで大切なのは、10分後に人生がかかっている国家試験(内分泌)までの勉強方法を見つめなおすことです。
今回は1部に絞って勉強していきますが、全体的なスケジュールについて知っておきたい!という方はこちらも一緒にどうぞ⇩
ホルモンを10分間で覚えよう
それでは10分間の勉強の成果を見ていきましょう。
・問題
先ほど表に合った内容について、分泌される部位の名称、内分泌の効果について覚えているだけ紙に書いてください。ただし、略語(ABCDなど)は国試で単体で出題されないため、点数に含まれません。
解答時間は20分。
それでは始め!
出来ましたか?
解答は上に戻っていただければ自己採点できますので、ざっと点数をつけてみてください。
ホルモン勉強で勉強スタイルの把握をしよう
この10分間をどう使いましたか?まさか上から順番に覚えた…なんて効率の悪いことをしていてはいけません。
もし0から知識を入れるとなると、視床下部や下垂体前葉から覚えるなんて難しすぎます。自分から勉強のハードルを下げる練習をしていきましょう。
10分後に65点取るには、逆に言い換えれば35点落としていいんです。
「え!?国試で捨て問作っていいのかよ!」
と考える方がいるかもしれませんが、単純にすべての範囲を網羅するのは不可能にちかいです。どれだけ過去問を解こうと、見たことのない選択肢や疾患も出てくると思います。
ではどうすればいいか?
答えは簡単です。
「確実にとれる点数を稼ぐ知識を短時間で身につけること」
これにつきます。
では過去に戻って10分間再度勉強できるとしたらどこから手を付けますか?
Ryo流勉強方法はこちら⇩

確実に…ということは少ないものから覚えよう!
精巣→卵巣→副腎髄質→副甲状腺→甲状腺→下垂体後葉→膵臓→腎臓→副腎皮質
この順番をおススメします。
ホルモンの覚える順番とは
まずはなんといっても1臓器につき1つの内分泌しか覚えなくていいものから確実に覚えていきましょう。
卵巣は例外で、二つの内分泌の効果をまとめて覚えられること・精巣と卵巣をペアで覚えさせた方が頭に入りやすいことから2番目に入れました。
そして副甲状腺まで覚えきってから甲状腺を覚えていきます。
パラソルモン(副甲状腺ホルモンのこと)とカルシトニンは対の効果を持っているので覚えやすいですね。
このような対となる効果をもっている内分泌は多いので、「インスリンとグルカゴンは対なんだ!」といったように勉強していくと覚えやすいと思います。
そして、視床下部、下垂体前葉以外を覚えれば半分くらい点数は固いですよ!
最後の仕上げは、視床下部、下垂体前葉の関係性に気づいていれば実は簡単です。
それは
視床下部ででたほとんどの内分泌は下垂体前葉からでる内分泌の調整をしている
これさえ気づいていれば、ソマトスタチンやプロラクチンなどを除いた複数の暗記が簡単になります。

豆知識‼
FSHとLHを合わせてゴナドトロピンといいます!
まとめ
どうでしたか?
今回は10分間を使って自分の勉強効率の改善ができるようにしてみました。自分の短期暗記方法でこれから覚えていく量に太刀打ちできるのか?効率を上げるにはどんな方法があるのか?
このような一見遠回りの思考でも、初めに行っておくことで後々他人と差が出てきますよ‼
困ったらRyo流(覚えやすいところ、数が少ないところ、対となっていて暗記量が少ないところ)から手を付けてみるのをおススメします。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
