結論
大学:医療業界というざっくりしたイメージで選ぶ&国試合格率が高い
専門:早く看護師になりたい&専門学校が多いため選べる
2部に分けて解説していきます。
1部目は看護大学についてのメリット・デメリットです。
看護師になるには
「看護師」という職業が気になったときに必ず一度は考える内容かと思います。
そもそも、看護師になる方法はいくつかあることをご存じですか?
・大学(4年制)
・短期大学(3年制)
・専門学校
・養成所
・中学卒業後一貫教育コース(5年:最短)
といくつかあります。今回はその中でも大半の方が気になっている
Q大学と専門、どちらがいいの?
という質問に答えていきます。それぞれのメリット・デメリットについて挙げていきます。早速見ていきましょう!

看護大学へ行くメリット
・学歴が大学卒となり、学士を得られる
・国試合格率が専門よりも高い
・大学によっては看護師と同時に保健師や養護教諭の資格も取得可能
・大学院へ進学しやすい(学士あるため)
・給料が高い
1つずつ深堀していきます。
・学歴が大学卒となり、学士を得られる
まずは何といっても大学卒となると、学士が得られます。これは他の選択肢では絶対に得られないものであり、学士という称号は一生使えます。
Q学士になるといいことなるの?
A選択肢が増えます
例えば、看護師として働きながら、大学で教員補佐もできます。看護師という職業が肌に合わなかった…という人は、就職先を一般企業にする人もいます。
「看護師資格を持ちながら、一般企業で働く(産業看護師という道もありますよ)」という選択肢もあります。4年間の実習や講義で気持ちが揺らぐ人、なんとなく看護の道に入ってきた人は挫折しやすいです。
そういった人が「4年間頑張って、国試を合格しても看護師という選択肢しかないなら頑張れない」となる傾向があるため、「就職先=病院ではない」という事実が退学を踏みとどめることもありますよ。
大学卒業だけなら、どこの大学を卒業しているかは関係ありません。就職で専門学校を出ている場合は「看護のみ勉強している、大卒でない」というレッテルを張られやすいです。
大学では、卒論といった看護以外の教養も含めての4年になります。この1年間の差が有利には働くことが将来多くなるというだけで、大学という選択肢が強みになります。

大学や専門選びは将来を選ぶのと同義です。
なんとなく…で決める場合は選択肢がより広く残っている大学をおススメします。
・国試合格率が専門よりも高い
大学では1年間の猶予があります。ほとんどの大学では、4年生では講義数個、実習1~3個、卒論のみで1年間が終了します。
それもそのはず、専門では3年間で終了できる単位数をなぜ4年間に延ばしているのか?
もちろん卒論が大きいことは確かですが、ほぼ1年間を国試対策に費やすことができます。
専門学校では国試3か月前まで実習が入っているという学校もあり、「実習しながら国試対策」というハードスケジュールになります。
そのため、必然的に勉強できる環境が整いやすい大学の合格率が高くなります。
毎年6万~6万5千人ほどが看護師国家試験を受験します。その合格率は約88~92%。毎年6~7千人は看護師になれないのが現状です。
3年間専門で頑張ったけど国試落ちた…何が残りますか?
専門卒と大卒では一般就職で有利不利は目に見えています。
さらに、大学に在学中に「准看護師」の試験を受けることもできます。看護師を落ちたとき用に保険をかけている同級生は何人かいました。
このように、1年間の勉強期間を何に費やすかで選択肢は広がります。看護師と保健師をとれば選択肢が2つ、養護教諭をとればさらに1つ、そして大卒が自然についてくる。
そして「準備期間がある=国試合格率が高い」という事実が背中を押してくれます。
・大学によっては看護師と同時に保健師や養護教諭の資格も取得可能
大学では看護師資格のみの選択肢もあれば、
・看護師+保健師
・看護師+養護教諭
・看護師+助産師
といった選択肢を持つ大学も数多あります。
ざっくりとしたイメージで「医療業界で働きたい」という方には大学がおススメします。なぜならこれだけ選択肢があるということは、将来を考える時間が4年間増えることに他ならないからです。
いきなり助産師や保健師にはなれませんし、看護師の資格が前提条件になります。専門にいくにも伝手がない、という人は多いです。
大学では、ストレートで取得できたり、進学コースで助産師学校への後押しをしてくれることもあります。
・大学院へ進学しやすい(学士あるため)
学士を持つことは強みと言いましたが、これは就職後も関係あります。
学士を持っていると大学院へ進学しやすいです。
Q看護師になってから大学院に行きたい人なんているの?
Aたくさんいます
なぜならキャリアアップを目指す人には避けて通れない道だからです。看護分野の大学院に行くということは
専門看護師になれる可能性が高まるからです。
専門看護師は看護協会が指定する大学院等で指定の単位を取得し、専門領域で3年以上の実務経験がある場合に認定資格をもらえます。
つまり、
学士取得=大学院に進学しやすい=専門看護師になれる可能性が高い=キャリアアップの道
とつながります。

・給料が高い
就職活動をするときに気づくのでは遅いです。
大卒の看護師と専門卒の看護師では給料に「5千~1万程度」差があります。
小さいと思うかもしれませんが、毎月1万円違うと年体位で12万、ボーナスにも影響するので15万程度は差が生まれます。
10年働いたら新車一台分ほどの差が生まれます。
これは大きな差です。なぜ大卒と専門卒で給料に差があるのかは議論がありますが、結果は変わりません。
大学1年間の学費を回収するのもそう遠くないでしょう。むしろ子供が生まれたときに毎月1万円多いほうがなにかと人生設計で困ることはないと思いますよ?
看護大学へ行くデメリット
・4年間の教育期間がある(学費・専門は3年)
・病棟では大学出身は関係ない
・実習から就職までの期間が長い
・大学数が少ない
1つずつ深堀していきます。
・4年間の教育期間がある(学費・専門は3年)
大学に進学する大きなデメリットの一つが期間と金額です。
3年間で終了する専門学校とは異なり、大学では4年間の資金と期間を必要とします。私立大学になれば、国公立よりも高い学費が必要になります。
「大学は人生の夏休み!」
と思っていた人でも、学費のためにバイト三昧…なんてよくあります。また、学費のために奨学金を病院や学生支援機構から借りる人がいますが、奨学金とは「借金」です。
3年間借りるのと4年間借りるのでは返す時の総額や、月額返済額が変わります。
「奨学金があるから」と安易に借りていると、留年したときに一括返済しなければならないという事例も同級生でありました。
1か月8万円として、12か月分を一括返済となると100万円相当になります。使ってしまった場合は返済のために休学し、バイト三昧…なんのために大学に通っているのかわからなくなります。
期間がある=余裕がある
のはもちろんですが、
期間がある=奨学金総額が高い=20代で使える金額が少なくなる
という事実も認識しておきましょう。看護師の手取りについて詳しい記事はこちら。ここから奨学金返済分を引いて下さい⇩
・病棟では大学出身は関係ない

看護師1年目、大学を出ている!
専門の子よりもできるはず!
残念。
病棟では学歴は関係ありません。雇用上では大卒と専門卒では給料が違うなど差はありますが、病棟では
・大卒だから任せられる
・専門卒だからやらせてあげない
などということは起きません。
むしろ「直前まで実習していた専門学校出身」の同期のほうが感覚を取り戻しやすいですし、仕事に慣れるのが早い傾向にあります。
「大卒=優秀」という事実はありません。
病棟勤務になれば、学歴よりも社会性が重要視されます。大学、専門関係なく行動で評価されるようになるので、みんな同じスタートです。
焦らず、積み上げていきましょう。
・実習から就職までの期間が長い
前述したように、専門学校では国試直前まで実習が詰まっています。
逆に言えば実習経験が感覚で残っている中で仕事になります。大学では4年の前期でほとんどの実習が終了します。
半年間のブランク…というほどではありませんが、やはり病院の雰囲気を忘れやすいのでデメリットといえるでしょう。
仕事には責任がつきものです。それは実習とは大きく異なる点ですので、期間が空いた分より集中して業務に取り組む必要があります。
仕事の責任について知っておきたい方はこちら⇩
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・大学数が少ない
平成30年度の文科省のデータによると
・大学は約250校=約25%
・専門校690校=約65%
この差は一目瞭然です。
・実家から通いたい
・近場で学力にあうところに通いたい
・自分の学力で行けるところに行きたい
こういった意見には大学はまだまだ数が追い付いていません。最近では看護学部が新設されることが多くなってきており、一期生の募集などが見受けられます。
ただし
・初めての実習施設
・初めての科目
・初めての国試対策
といったように担当する教員の当たり外れのリスクがあります。
大学では自分で講義を選択し、取得する必要があります。もし講義を受講すること自体忘れていると、成績優秀でも留年…というケースもあります。
つまり、自分で時間割を作ることになります。
苦手な人は友達と同じにしたい…と考えるかもしれませんが、4月に入学してすぐに選択するのに将来を預けられるほどの友達ができる自信がありますか?
大学では自主性を重んじます。
自主的に行動できる人は成績も上がり、思考も鍛えらえ、就職も率先して動くため情報戦に有利です。
自分の性格に見合った場所を探すという選択肢もありなのではないでしょうか?
まとめ
この記事では看護大学のメリット・デメリットを紹介してきました。
次の記事では専門のメリット・デメリットを紹介していきます。両方を比較して、自分の進路を決めましょう。
専門学校については近日公開予定です。しばしお待ちを!
どんな選択肢でも、情報を持つ者が勝利する時代です。
わからない、なんとなく、てきとうに…と行動すると自分の将来を狭めかねません。卒業と入学、就職などは大きな節目になります。
今少しだけ頑張って3~4年間楽しく過ごすのか、今適当に過ごして3~4年間苦しむのか。
決めるのはあなたです。
…といっても実際にここまで読んで行動できる人は100人に2~3人でしょう。
僕も応援しますから、まずは調べるところから始めてみませんか?
以上!
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