妊娠前の基礎知識を復習しよう
妊娠中の経過を実習で見ることは多いかもしれませんが、実際に妊娠が確定するまでの流れは意外と分からない人が多いです。
妊娠期間における勉強の基礎知識になるので、ひとつずつ一緒に勉強していきましょう。

はじめに、「生殖細胞」をご存じですか?
生殖細胞とは、生殖(子どもを作るために必要な細胞)に必要な細胞のことです。
・男性では精子
・女性では卵子
のことを指しています。
生殖細胞(精子・卵子)が形成されるまでに「減数分裂」が行われるため、それぞれ染色体は通常の半分となっています。
つまり
常染色体(一般の細胞)は22本
性染色体(精子はXかY、卵子はXのみ)が1本
復習となりますが、人間の染色体は通常46本(23対)です。
そのうち、常染色体が22対、性染色体が1対ですよね。生殖細胞はその全てが半分となっています。
精子の性染色体がXの場合は女の子が、Yの場合は男の子が生まれます!
これはしっかりと覚えておいてください。
精子+卵子=受精卵
受精卵の性染色体がXX→女性
受精卵の性染色体はXY→男性
卵子・精子の寿命
精子と卵子についてもう少し掘り下げて勉強していきましょう。
精子はキノコのような形をしていて、頭部分に核があります。頭と柄の接合部にミトコンドリアがあり、精子が卵子にたどり着くまでの運動エネルギーをここで担っています。
長さは約60㎛です。大きさはそこまで重要ではありませんが、卵子のほうが精子よりもかなり大きいと覚えておきましょう。
次に卵子です。
卵子はまん丸な形をしています。体内に精子と同じく核があり、その周りを細胞質が覆っています。
イメージとしては、風船の中にビー玉が浮いているくらいのサイズと思っておいてください。
卵子のサイズは直径200㎛で、精子と比べてもその差は歴然ですね。サイズ感を分かっていると、卵子の中に、精子が侵入していくという構図が想像しやすいと思います。

着床とは?
妊そもそも妊娠とはどこからどこまでを指すのでしょうか。
ずばり!
受精卵の着床から、分娩まで(胎児および付属物が母体外に排出されるまで)
卵子や精子にも寿命(受精しやすいタイミングと覚えてください)があります。
卵子は排卵後約24時間(約1日)
精子は体外へ排出後約48~72時間(約2~3日)

卵子が排卵後1日で受精機能を消失するなら、1ヶ月のうち妊娠リスクがあるのは1日だけ…ではありません。
他の日でも可能性は十分にあるので、くれぐれもネットの知識だけで騙されないようにしましょう!
子宮内に排出された精子は、1分間に2~3㎜ほどの速度で登っていき
子宮内→卵管へと進みます。
一方卵子は、卵巣から排出され、卵管に向けて進んでいきます。
精子と卵子は卵管で出会い、おおよそ卵管膨大部で受精します。
受精卵となった後、卵管で大きくなるわけにはいきません。当然、育ちやすい環境を探すため旅に出ます。
そのころになると、子宮内でふかふかのベッドが完成しているので、受精卵は子宮内へ降りてきて、着床(住処を決める)となります。
精子や卵子と同様に、受精卵もとてもゆっくりの速度で下ってくるので、受精卵になってから約1週間ほどで着床となります。
人絨毛性ゴナドトロピンとは
ようやく着床し、育つ環境が決まりました。
次に勉強するのは、「人絨毛性ゴナドトロピン」についてです。
以前、内分泌で勉強したゴナドトロピンとは異なるものなので、混同して覚えないように注意しましょう。
まだ内分泌について学習し足りない方はこちら⇩
人絨毛性ゴナドトロピンとは、一言で言えば「胎盤から分泌される」ものです。
無事受精卵が着床した時、「どうやって受精卵が同じ場所にとどまれるの?」となりますよね。
これは、胎盤で母子を繋ぎとめているからなんです。
そうして胎盤が作成され始めた時に、人絨毛性ゴナドトロピンが分泌され、母の尿中に排出されます。
妊娠検査薬は、尿中に人絨毛性ゴナドトロピンが出てきていれば妊娠決定!となる検査薬になります。
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ただし、着床後すぐではなかなか精密に測れません…
おおよそ妊娠週数が4週目になってから陽性になりはじめ、妊娠6週でほぼ100%陽性となったとき、妊娠確定となります。
気になるからと言って、すぐに検査しても着床すらしていないかもしれませんね。
まとめ
今回は妊娠の経緯について一緒に勉強しました。
妊娠週数による〇〇のようなものはよく見かけますが、意外と経緯は知らない方もいたのではないでしょうか。何事も点で勉強すると効率が悪いので、基礎知識や流れで勉強していけるように訓練していくことをおススメします。
国試が近づいてきました。焦らず、復習の時間を多めにとることで当日落ち着いた回答ができるように今から準備していきましょう!
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