108回午後22問
赤色のトリアージタグが意味するのはどれか
1.死亡群
2.保留群
3.最優先治療群
4.待機的治療群
正解は3の最優先治療群です。今回はトリアージについて勉強しましょう。
トリアージとは
まず災害時医療で重要な3Tというのがあります。英単語の頭文字を取って3T。(トリアージ:Triage)もこの一つです。残りは、(治療:Treatment)、(搬送:Transport)です。
イメージしてください。
大規模な地震、火災が発生しました。現場には10分で死んでしまう人、30分で死んでしまう人、死なないけど重症の人、軽症の人など様々です。手持ちは5人分の救命できる物資しか持っていません。どの人から使いますか?
これがトリアージをする現場となります。
トリアージとは、「命の選択」です。限られた医療物資の中で、一人でも多くの命を救うために順番を付ける。それがトリアージです。
無論、状況が変わればトリアージも変更になることがあります。
このような考え方は意外と身近でも起こっています。例えば、夜間救急外来で、骨折の人のオペを準備中、心筋梗塞の患者が来たら、優先するのは心筋梗塞の患者ですよね。これが災害時でもない日常でのトリアージという概念です。
では、災害時ではどのようにしてトリアージがされているのか勉強しましょう。

トリアージの分類
トリアージには4つの分類があります。画像にもあるように、黒、赤、黄、緑です。
注意してほしいのは、この順番で医療が提供されるというわけではないことです。その理由も含めてまずは下の表を見て下さい⇩

「赤⇨黄⇨みどり⇨黒」という順番を覚えておいて下さい。国試の問題と照らし合わせてみると
赤色:最優先治療群
黄色:待機的治療群
緑色:保留群
黒色:死亡群
となります。

付ける順番は
右手⇨左手⇨右足⇨左足⇨首
です。右手の欠損ややけどなどでつけられない、見えにくい状況だと次の付ける箇所に変更します。
これは2度同じ患者をトリアージしないように見やすい場所に貼ることで、時間を短縮する働きがあります。
まとめ
トリアージで黒色がつけられるということの重さをしっている人は少ないと思います。トリアージをする人は、トリアージのみをし続けるそうです。緊急時、物資といっても人の心はそう簡単に変わりません。
救急医療に死はつきものです。少しでも、知識と経験を付けて、来るであろう南海トラフに備えておきましょう。看護学生、新人看護師でもできることは見つけられます。
国試ではトリアージはサービス問題です。しっかりと点数を貰うだけ…ではなく、働き始めても決して忘れないようにしましょう。
以上!