尿失禁とは
今回は尿失禁について勉強していきたいと思います。前回の尿の基準値についてまだ勉強してない!という方は先にこちらで勉強しましょう!⇩
尿失禁には大きく分けて2つの種類があります。
・器質性尿失禁:排尿機構の障害により起こるもの。つまり、腎臓や周囲の筋肉などに原因があるもの。
・機能性尿失禁:トイレへの移動や、歩行困難、動作の緩慢さによって遅れが生じるもの。
今回は器質性尿失禁について勉強していきましょう!

機能性尿失禁の原因には、認知症や体が不自由といったADLの低下によるものがあります。
尿失禁の種類と内容について
まずは尿失禁の種類から見ていきましょう。

各名称がこちら⇩
・腹圧性(緊張性)
・切迫性
・溢流性(いつりゅう)(別名:奇異性(きい))
・反射性
・真性
・尿道外
この6つが各種類の名称になります。腹圧性と緊張性は同義であること、溢流性と奇異性は同義であることがここでは大切になります。国試でどのような言葉で聞かれてくるか分からないので、「同じ意味だ!」と分かるようにセットで覚えておきましょう。

Ryoは溢流と奇異って言葉が難しい同士でセット!と安直なイメージで覚えましたが、意外と忘れませんでした!
1つずつ内容を見ていきましょう。名前から連想できる内容が多いので、分かりにくいものだけ覚えていきましょう。もちろん全部内容は書いていきます!
・腹圧性(緊張性)尿失禁
名前の通り、腹圧が関係しています。腹圧が上昇した際に尿が漏れ出てしまうことを指しています。では、腹圧が上がる時といえば…?(お腹に力が入ってしまうときですよ!)
咳やくしゃみなどですね!原因として加齢や妊娠・分娩、骨盤底筋群の筋力低下が挙げられます。

専門用語で言えるとなおいいですね!
咳=咳嗽(がいそう)
くしゃみ= 噴嚏 (ふんてい)
と言います!くしゃみは臨床でも使っているところを見ていませんね…
・切迫性尿失禁
これも文字通り、切迫している状況で漏れてしまうものを指しています。
尿意を感じる⇨トイレに向かう
この間で漏れてしまうような状態です。これは、膀胱が過敏状態によって起きています。原因として膀胱炎や過活動膀胱などが挙げられます。
・溢流性(奇異性)尿失禁
これも言葉のまま…と言われても難しいかもしれません。
溢流という単語を分解していきましょう。
「溢」は、溢れる(あふれる)と読みます。「流」は流れるですね。
つまり、あふれ出てしまうことを意味しています。溢流性とは、慢性的な尿閉により残尿が多くあり、さらに尿が作られることにより膀胱内圧が上昇、結果として外に尿が流れ出てくるものを指しています。原因として前立腺肥大症などが挙げられます。
・反射性尿失禁
反射性尿失禁とは、尿意を感じないことがポイントです。溢流性では尿閉により尿が蓄積されていましたが、反射性では尿閉ではなく、単に膀胱に尿が蓄積されると尿意を感じずに漏れ出ることを指します。この場合は、尿意がないため、より正確な排尿コントロールが大切になります。原因として脊髄損傷などが挙げられます。

〇〇さん、そろそろトイレ行ってみませんか?

そうねぇ…そろそろいこうかしら(尿意無し)

(排尿回数と時間の傾向を把握しておいてよかった。これで反射性尿失禁による自尊心の低下を少しは防げたのかな?)
と、このように排泄はどんな年齢になっても他人に見られていい気はしません。排泄コントロールにはこのような下準備が大切となります。もちろん、ほかの尿失禁にも排泄管理の看護は大切ですよ!
・真性尿失禁
真性尿失禁とは、尿道括約筋不全により常に尿が生成されたら漏れ出る、また生成されて漏れ出ると繰り返される症状の事です。患者本人の意志ではなく、常に漏れてしまうことに焦点をおいた看護が求めららえるでしょう。原因として先天奇形などが挙げられます。
・尿道外尿失禁
これは言葉の通りで、尿道以外の場所から尿が漏れ出てしまうことを指します。原因として尿管異所開口や 膀胱膣瘻(ろう)などが挙げられます。
勉強用表(まとめ)
それでは最後に表にしたので、まとめて勉強の復習をしていきましょう。
下の表を勉強用に使ってみてください!⇩

今回は尿失禁についてまとめて勉強しました。特に表の上から4つは国試で選択肢に出てきやすく、間違えやすいです。1つずつ、1つずつ勉強して積み上げていきましょう。以上!