結論
大学:医療業界というざっくりしたイメージで選ぶ&国試合格率が高い
専門:早く看護師になりたい&専門学校が多いため選べる
2部構成になります。
この記事では専門のメリット・デメリットについて深堀していきます。
前回の記事はこちら⇩
看護専門のメリットとは
・3年間で看護師資格を取得できる
・実習と就職の期間が短く重宝される
・講義が詰まっているため、中だるみが減る
・専門校が多いため、選択肢が多い
1つずつ深堀していきます。
・3年間で看護師資格を取得できる
早く社会に出て看護師として働きたい!という方は間違いなく専門学校がおススメです。3年間単位を取得して、颯爽と働きましょう。
看護師の世界では、ラダー制度という概念があります。
看護師1年目の研修をすべて終え、無事看護師2年目に突入するとラダー1になり、そこからリーダー研修や委員会、役職を受け持つことでラダーがあがっていきます。このラダー制度は転職活動でも十分に強みとなるので、同じ年齢の後輩と比べて就職が有利に働くことがあります。
また、女性が多いことから産休、育休といった時期が挟むと休職や退職することが一度や二度あると思います。その際にもラダー制度、また勤務年数などは再就職の強みになります。
たった一年、されど一年。
経験年数を積むほど看護師は再就職しやすいので、早く働き始めることは十分メリットといえるでしょう。
また、専門看護師や認定看護師といったより高度な看護を提供できる資格があります。こちらにも勤務年数が必要となってくるので、より若いうちに資格を取ることができます。

年齢が若いほど知識の吸収率は高いので、1年間の吸収率はとても差が出るところですよ。
・実習と就職の期間が短く重宝される
こちらも重要なメリットになります。
大学のメリットと相反することですが、実習が国試直前まである=病棟看護師のイメージがそのまま残っている、ということになります。
実習から半年以上が経っていると、どうしても思考が勉強のみに集中してしまいます。

行動力の高い同期が専門だった…という気づきは何度かありました。もちろん性格もありますが( ´∀` )

・講義が詰まっているため、中だるみが減る
これは大学のいい点でもあり、悪い点でもありますが、3年間で終えることを4年間に延ばしているということは、日常に余裕が出てきます。
毎日2コマしか講義がない日があったり、午前すべて休みの日ができたり…
そうするとどうしても「だるさ」が出てきます。
「今日の講義1コマだけだし、休めばいいや」
「午前休みだからバイト入れちゃおうかな」
「眠いし講義に集中できないや」
こうなってしまうと自力で戻すのは困難です。人間、楽な道があるととんとん拍子に進んでしましがちです。
その点、専門学生は時間割がほとんど決められているので、だるさの誘惑が少ない傾向にあります。
自分が怠けものになりやすい性格だろうな~と思っている人は高校とあまり変わらない生活スタイルを維持したほうが看護師になりやすいかもしれませんよ?
・専門校が多いため、選択肢が多い
専門を選んできた同期に話を聞いて最も多かったのがこちらの選択でした。
・家から遠いところはお金がかかるから
・実家の恩恵を受けたいから
・大学が遠いから
・ギリギリまで寝れるから
こういった理由で、専門に行く学生が多い印象があります。
本質は「学力と比較して選択肢が多い」ことにあります。もし大学に行くと決めている場合、家から通えるのは1~2個のみという人も多いです。
それ以外だと一人暮らしをしなければならず、結局お金がさらにかかってしまう…なんてこともあります。
単に一人暮らしといっても1か月の家賃、光熱費、駐車場代…と計算するとかなりの額になります。

1か月にかかる金額の例
家賃:4万
電気ガス水道:1万
食費:1~2万
これを4年間(48か月)すると
約300万ほどかかります。そこに学費…と考えるとかなり大きな差になります
平成30年度で、大学は約260校(25%)、専門(養成所)は690校(65%)とかなり差があります。
また、大学にはストレート就職できる場所が少ないです。
〇〇付属とついている場合は、〇〇附属病院と直列の就職先があるため、かなり就活で有利に、早く内定をもらえることが多い一方、私立〇〇大学看護学部などは直列の病院がない場合がほとんどであり、就職も外部に頼らざるを得ません。
専門では、病院の横に建設されていたり、敷地内にある、隣に付属しているといった場合も多く、就活、実習先に困ることがありません。
このように、就活面をみても、専門が有利な立場にあるといっても過言ではないでしょう。
選択肢が多く、就活の有利性も高い。これはかなり強みとなるでしょう。
看護専門のデメリットとは
・就職後の給料が違う
・国試合格率が低い
・息抜きできる時間が少ない
・就職後の給料が違う
実はこれが一番納得いかない学生が多いと思います。
・同じ資格を持っているのになぜか
・3年より4年働いたほうが偉いのか
といった不満が挙がるのも無理ありません。専門と大学出身の差は月々5千~1万ほど。
年間賞与も含めて15万ほど差が生まれてくると考えておきましょう。
一見小さな数値に見えますが、10年働くと軽自動車一台分の差が出ます。2年に1度海外旅行ができるかできないかといえば差が明白でしょう。
さらに、大学生時代はバイトもかなり入れることができるお陰で貯金、娯楽にお金が使えます。
人生の1年間にどのような価値観を持っているのかは人それぞれですが、バイトして楽しい時間が増える1年と、時間割がみっちりしていて早く働けるけど収入が落ちてしまう側。どちらがいいかは皆さんの価値観に任されます。

僕はこの金額の差について計算して、納得いかなかったので大学という選択しかしませんでした(笑)

・国試合格率が低い
2019年の国試合格率がこちら⇩
大学:約95%
専門3年制:93%
「あまり変わらないのでは?」と思った方、これを母数で換算するとよりイメージしやすくなります。
大学:2.1万人受験、合格2万人
専門:2.6万人受験、合格2.4万人
そしてこの数字には「新卒・既卒を含めている」という事実があります。
たった2%、されど母数が大きくなればその差は開く一方です。
もちろん、入学してから努力した時間、量などで自分の合格率は変わりますが、「勉強は環境がすべて」というほど環境は大切です。
合格率が高い=それだけ学習時間、意欲、環境が整っている
という事実のため、入学を優先するのか、入学後を優先するのか、就活を優先するのかなどで選択肢は異なります。
・息抜きできる時間が少ない
これも専門の痛いところです。4年間で履修する講義を3年間に押し込むわけですから、当然自由に使える時間は減ります。その恩恵は1年間早く就職できること。
高校生では息抜きできていますか?
専門分野の勉強になると勉強できなくなるというタイプの学生がいます。それは「基礎知識がゼロの場合の勉強法を知らない」と陥りやすいです。
例えば
・小さいころからテレビで戦国武将の名前を見ていた。織田信長という名前は知っていたから、歴史の勉強で出てきたときに「この人が〇〇をしたんだ!」と知識をつなげられた
⇩
・テレビでは遺伝子の話をあまり聞いてこなかった。RNAとは?という概念を覚えるところから始まり、RNAの基礎知識をつけてからDNAなどのほか遺伝子について勉強しなければいけなくなった→出だしの知識量が違って大変
このようなタイプの同級生が何人もいました。
・頭の回転は速いのに、勉強は苦手
という人は
・今まで適当でやってこれた勉強についていけなくなると挫折しやすい
ということです。
・高校では勉強しなくてもついていけた
・試験対策も真剣にやらなくても受かった
・高校では留年の心配すらしていなかった
といった方、正直かなり危険です。
勉強の習慣がない人が、毎日専門分野のみの勉強をこなしつつ、実習課題をこなしながら国試対策をする。
かなりの努力量があります。
大学では毎日午後すべて休みの中2時間勉強している人に対して、専門では毎日夕方まで講義がある中で2時間勉強しなければならない。
こう例えるとかなり努力できる自信がないと専門では難しい印象を持ちますよね。
息抜きできる時間が少ないということは、毎日スケジュールが埋まり続けるということです。国試対策をする3年目では「国試対策、実習、課題レポート」を1年を通して行う必要があります。
その中で自分はがんばれるのか?一度考えてみましょう。
まとめ
この記事では専門に行くメリット・デメリットを紹介してきました。Ryo自身大学出身のため、つい大学がに行ってほしい…という思いもありますが、専門には専門の大きなメリットがあることが伝わったと思います。
選択する際に迷った場合、「自分の価値観に合うかどうか」が究極の解決方法になります。
3~4年間で何をしたいのか、どんな道を歩みたいのか。
受験は良くも悪くも待ってくれません。それまでにできることといえば、
・インターンに行ってみる
・職場体験をして看護師という道を想像してみる
・先輩から話を聞いてみる
といったように情報はネットだけでは取り切れない部分もあります。
今の自分に必要な情報はどれなのか、その情報を得るために必要なのは何なのか?
自問自答しながら、価値観に合った選択をしましょう。
皆さんが看護師になれるようにブログという形で応援しています。
以上!
