この記事を読むメリット
・業務上疾病の主な疾病を知れる
・細かな分類について勉強できる
業務上疾病とは
業務上疾病という言葉を聞いた事はありますか?
言葉の通りの意味で、「特定の業務に携わったことで発生する職業に特有の疾病」の事です。
業務上疾病には、大きく分けて「作業環境」によるものと「作業条件」によるものに分類されます。
・作業環境
作業環境には物理的要因と科学的要因があります。物理的要因とは、騒音や高温、多湿や以上気圧といった作業をしている環境に起因します。科学的要因とは、粉塵や有毒ガスといった人工的に作り出された物質が起因となります。簡単に覚えるなら「物理が自然によるもの」「科学が人工的なもの」と覚えておくことをおススメします。
・作業条件
作業条件と聞くと、作業環境に似たような内容を想像してしまいがちですが、働く内容と捉えると間違えにくくなります。例えば、重たい荷物を運び続ける、休憩がとれない状態で立ち続けるといった働いている内容になります。
これらは頭の片隅に入れておいてください!
業務上疾病1位は腰痛
業務上疾病の割合を見ていきましょう。

仕事が原因で起きる疾患に一番多いのは何でしょう…?世の中にはいろいろな仕事の方法がありますが、最も多いものといえば…
これだけは確実に覚えておいてください。業務上疾病で最も多いのは「負傷に起因する疾病」で8割弱を占めています。
【一位は腰痛です】
負傷に起因する疾病と言われてもいまいちよくわかりませんよね。例を見てみましょう⇩
・仕事内容は荷物の仕分け作業です。毎日重い荷物を動かしていたら腰痛になりました。
・仕事内容は草刈です。草刈りをしていたら蜂に刺されました。
・仕事内容は窓ふきです。マンションの窓を拭いていたら落ちてしまい、頭部を出血しました。
と、このように、疾病に至るまでに必ず仕事内容がかかわっており、結果として負傷(けが)をしてしまった場合を占めています。ほとんどの方がこの負傷に起因する疾病に当てはまることが分かりますね。
それでは他の要因と合わせて割合を見ていきましょう。
負傷に起因する疾病(腰痛のみ)…64%
負傷に起因する疾病(腰痛以外)…12%
物理的因子による疾病…10%
作業態様による疾病…4%
(平成28年業務上疾病発生状況等調査より)
などなど。ほとんどが腰痛で占めていることが分かります。デスクワークをはじめ、どんな仕事でも腰痛になるリスクがあるためこのような結果になったと思われます。
業務上疾病への対策として、注目されるのが「産業看護師」です。
産業看護師は、いわば「職場の看護師」のため、仕事をする人々の健康管理、作業環境管理や労働衛生教育などに力を入れています。また、職場には産業看護師が介入しやすくなるような統括管理も求められていますね!
産業看護師について気になる方はこちら⇩

病院で働くだけが看護師の仕事ではありません!病院に来る前に予防できる場所にも実は看護師の力は働いています!
次は、国試でよく出る疾病と、対策用に最低限暗記すべき内容をパパっとまとめていきます。
じん肺
じん肺といえば「アスベスト」は絶対に覚えましょう。選択肢にもよく出てきます。

アスベストは石綿とも書かれます!
アスベストは悪性胸膜中脾腫や肺がんの原因でもあります。じん肺の治療は困難なため、「じん肺法」で健康管理について書かれています。
VDT症候群
VDTは現代社会において切っても切り離せない疾患となりました、
VDTとはディスプレイ画面の端末を使用している人に起きる「視力低下や眼精疲労、ドライアイといった症状」のことです。そのほかにも、抑うつ気分、いらいらなども症状に含まれています。
平成14年に厚労省が「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を制定しました。
災害性腰痛
絶対覚えて帰ってほしいのが「最も多い負傷に起因する疾病であること」です。
多く発生する職業として、長距離運転手や看護師、保育士などが挙げられます。
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その他の疾病について

国試対策ならば、白ろう病は覚えておきましょう。
白ろう病=レイノー現象と覚えてもいいくらいセットで出てきます。白ろう病は振動障害のため、チェーンソーや高周波の振動により発生します。
まとめ
とにかく一番多いのは腰痛!ということは確実に覚えて帰りましょう。
・一番は腰痛
・じん肺はアスベスト(石綿)
・VDTは画面見過ぎの目の障害
・白ろう病はチェーンソーとレイノー現象
これだけは最低限覚えてください!!!!!
統計の視点から、こちらも一緒に勉強しませんか?⇩
以上です。